きれいな花を何度も咲かせてくれる胡蝶蘭ですが、根が大切なことをご存じですか？
胡蝶蘭の根の大切さを知らないと簡単に枯れてしまいます。
今回は胡蝶蘭の根に着目して、花芽や新根の違い、水やりなどの管理、根腐れした際の対応方法など様々な胡蝶蘭の根の大切さについてまとめました。
胡蝶蘭の根はどんな構造になっているの？
胡蝶蘭は大木の幹や枝、あるいは岩盤の表面に張り付き成長する着生蘭の一種です。
その為、胡蝶蘭の根も着生生活に適応すべく特殊な形態に進化しています。
胡蝶蘭の根は大変太くて表面は白く、まるでうどんの様な形状です。
また、中を割ってみると中心に細くて硬い芯が1本通り、その周囲を多肉質の層が分厚く取り巻いているのが分かります。
根は多肉質な部分に水分や養分を蓄えられる一方、白い表面はそれらの蒸散を防ぐ為、かなりの乾燥に耐えられます。
また長く伸ばした根の表面は空気中の湿気や雨水を効率良く取り込みます。
雨で濡れた程度でも立派に成長出来、また空気中への露出や適度な湿気を好む理由がここにあります。
胡蝶蘭の根を大事に扱うべき理由とは？
上記の様に、胡蝶蘭にとって根は、栄養や水の吸収源やそれらの貯蔵タンクとして、また株をしっかり木の幹や岩盤に固着・安定化させる上で無くてはならない存在です。
特にカトレヤの様な太いバルブを持たない胡蝶蘭にとって、太い根は分厚い葉と共に株や花芽の成長に必要不可欠です。
もちろん鉢に植え栽培する場合でも同様です。
株の固着先が木の幹や岩盤から鉢の内面に変わるだけです。
株を大きく育て立派な花を咲かせる為には、何より根を大事に扱い、効率良く水分や栄養を吸収させなければなりません。
普段の管理はもちろんの事、植え替えの際も先ずは根を大事に扱いましょう。
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植え替え時の胡蝶蘭の根の扱い方は？
胡蝶蘭の生きた根や新根は大変太く、透明感があり多肉質です。
一方、寿命を迎えた根は多肉質が腐って表面が暗褐色となり、触るとフカフカした感じとなります。
また、少し引っ張っただけで細い芯を残し綺麗に剥けてしまいます。
胡蝶蘭を植え替える際は、生きた根や新根を慎重に扱うと共に、寿命を過ぎ腐った根を綺麗に取り除くのが基本です。
植木鋏等で腐った根を取り除いた後は、生きた根や新根を折らない様丁寧にミズゴケで包み、新しい鉢に押し込んで植え付けます。
なお株に元気が無く、鉢から抜くと殆どの根が腐っているケースがあります。
そんな時は腐った根の芯をあえて数本残し、それらにミズゴケを絡ませ植え付け株の安定を図るのがお勧めです。
胡蝶蘭の根が鉢からむき出しでも大丈夫？
先も書いた様に、胡蝶蘭は空気中の湿度を好む着生蘭の一種です。
新根もそれらを積極的に求め、鉢の中だけでなくその外に飛び出してくるケースも多々あります。
見た目は若干悪くなりますが、株自体は大変元気な証拠であり、基本的には放置していても構いません。
ただ、鉢の中に伸びる根が腐っていたり、株が完全に鉢から飛び出しぐら付いている場合は、早目に植え替えた方が良いでしょう。
なお、室内栽培の場合、冬場に株の周囲が過度に乾燥してしまうケースがあります。
そんな時は、1日に数回程度霧吹きで露出した根や葉に霧を吹くと株の調子が良くなります。
また、伸び出した花芽も乾燥に弱い為、積極的に霧を吹き湿度を高めてあげるのがお勧めです。
胡蝶蘭の花芽と新根の違い
胡蝶蘭の花芽は「新しい花をつけるための、茎から生える芽」のことで、新根は「新しい根」のことです。
花芽は葉と葉の間から、葉の中央線に沿って太陽光のある上向きに生える芽です。
新根は下向きまたは横向きに生え、先端には根冠（ルートキャップ）があるものです。
花芽は「花茎（はなくき）」と呼ばれる茎となって、その先にたくさんのお花を咲かせ、新根は樹木に絡ませて伸びていく根となります。
胡蝶蘭の花芽と根の見分け方
胡蝶蘭の美しさを最大限に引き出すためには、花芽と根の見分け方を正確に知っておくことが肝要です。
これにより、適切なケアを提供し、植物の健康を促進することができます。
1. 花芽の識別
花芽は葉の間から顔を出し、次第に盛り上がってきます。
花芽は成長とともに色づき、花が咲く前にははっきりとした蕾として形成されます。花芽が現れると、美しい花が咲く予兆となります。
新しい芽を見つけたら、優しく育てることで素晴らしい花を楽しむことができます。
2. 健康な根の特徴
胡蝶蘭の健康な根は、土の中や鉢に広がり、白くしっかりとした構造を持っています。
触れると弾力があり、しっかりとした成長を示しています。根の健康状態は植物全体の繁栄に直結しており、こまめに確認することが必要です。
3. 花芽と根の見分けに注意
花芽と根の見分けが難しい場合があります。
特に新しい葉が花芽に見えることがありますが、これは新しい葉の発芽点である可能性があります。注意深く確認し、混同を避けましょう。
胡蝶蘭の花芽と根を正しく見分けることで、植物に適切なケアを提供し、美しい花を咲かせる手助けをすることができます。
胡蝶蘭の根が多すぎるときはどうすればよい？
胡蝶蘭の根が鉢からはみ出してしまうくらい多くても問題ありません。
胡蝶蘭の根が多すぎると思われる状態は自然なことなのです。
あまりに根が多すぎると見た目が悪くなるので切りたくなってしまいますが、根は胡蝶蘭の成長に大事なものなので、できる限り切らないほうがよいです。
胡蝶蘭の根がカラカラになったときにすること
胡蝶蘭の根がカラカラになってしまったときに確認しなければならないことは
- 根腐れ
- 水やり・湿度不足
の2点です。
胡蝶蘭は根腐れによって根が枯れてカラカラになることがあります。
水分や肥料分が多すぎたために根が傷んで、腐るように枯れてしまうのです。
着生蘭である胡蝶蘭は根に過剰に水や肥料を与えすぎると根腐れを起こし調子を崩してしまいやすいので、もし、根腐れが原因で根が枯れていると思ったら、水やりの頻度・量を減らし、風通しを見直すなどしてください。
逆に水やりや空気中の湿度の不足でも根がカラカラに枯れてしまうことがあります。
水やりや空気中の湿度の不足の場合は、葉にシワが寄ったり、古い葉が枯れたりするので、そちらもあわせてチェックしましょう。
水やり・湿度不足が原因の場合は、水やりの頻度・量を増やしたり、霧吹きなどで葉の表面に水を吹きかけるなどして対処します。
胡蝶蘭の根を切るときはどこから切ればよい？
胡蝶蘭を育てていると根が鉢からはみ出して来たり、植え替えの時に黒く変色しているような根が見つかることがあります。
その際は根を切りたくなりますよね。
でも、胡蝶蘭の茎と根は区別がとてもつきづらい植物なので、適当に切ると枯れてしまうこともあります。
ちなみに胡蝶蘭は通常根が鉢からはみ出していても問題はありません。むしろ元気な証拠。
できる限り切らないようにしてください。
植え替えの時に根が黒くなってしわしわになって明らかに弾力がないものが見つかったら、はさみでその部分を切り取って大丈夫です。
胡蝶蘭が根腐れしても復活させる方法
胡蝶蘭が根腐れしてしまった場合でも復活させる方法があります。
それは根腐れした胡蝶蘭を植え替えすることです。
芯の部分がしっかり残っていれば、根腐れをしていても胡蝶蘭はまだ復活する可能性があります。
根腐れして元気がないな、と思ったら早めに新しい鉢に植え替えてあげてください。
まとめ
胡蝶蘭の根が植物の生命力と健康において極めて重要であることが理解できました。
根腐れや水やり・湿度不足などの問題が根に影響を与え、それが全体の調子にも影響を及ぼすことが分かりました。
根腐れの防止や適切な水やり、湿度管理は、胡蝶蘭の健康を維持し、花芽や新根の発育にも直結します。
植物を育てる上で、根の大切さを理解し、適切なケアを行うことが、美しい花を楽しむための鍵となります。
胡蝶蘭を大事に育て、根に優しいケアを心掛けることで、豊かな花を咲かせ、長く愛でることができるでしょう。
